どうしても、昔食べた糖衣羊羹に会いたくて、小豆から餡を作ってその羊羹に挑戦しました。(冒頭の写真の解説は最後にしますね)
 
 さて餡を計ります。

 
 砂糖はザラメを使いました。

 
 寒天は二本、水は500㏄ 右の液体は菊酒のオンザロックで奥次郎のエネルギー原です。(長丁場なので)

 間宮羊羹ってなに? と疑問を感じる方に少し説明しましょう。

 昨年の秋に、妻の小豆が大豊作(思ったより収量があったということですけどね)で、あんこをたくさん作れると喜んでいるものですから、そんなにいつもオハギを食わされてはかなわないと思って羊羹を提案したんです。

 しかし、レシピを探しても糖入りの市販の餡を使った物ばかり。本格的なものは水あめが加えてあって、買って使いきれないのも困るし、かといって作るのも面倒だしと検索していると「間宮羊羹」がヒットしました。

 旧海軍の給糧艦(補給艦)「間宮」で超人気だった羊羹の事のようです。そういえば大和ミュージアムでなぜ羊羹がお土産に売っているのかと不思議に思ったのですけど、その割には食べたくてあっさりと買ってきたことを思い出しました。

 レシピは単純で、今までの材料(ここでは海軍主計兵調料理術教科書の半分の材料で作りました)を混ぜて煮詰めて形に流して終わりなのです。

 まずは二本分の寒天を洗って絞り、500㏄の水に溶かします。
 
 解けたら一旦濾して750gの砂糖を入れて溶かします。

 
 砂糖が解けたら500gの餡を投入。砂糖が解けて比重がある液体のために餡が浮いていますね。

 
 あとはただひたすら火にかけて煮詰めるだけ。

 先週の土曜日は気温が下がってストーブを焚いたのでそこにかけました。彼(名前は猫のミニくん)はそばに来て、あらあれもない姿で気持ちよく眠っていました。

 火にかけて約二時間、ドロドロ加減を見極めることが今回最大の試練です。実は以前に、我流の羊羹レシピ掲載記事を発見してチャレンジしたことがあったのです。その時は煮詰め過ぎたのか寒天が多かったのか分かりませんが、出来上がりが固くなって妻には大不評。

 やむなく私が何週間かかけて完食したのですが、その二の舞ではせっかくの小豆がもったいないと強硬に反対した彼女を押し切っての再度の挑戦なので、失敗は切腹に値します。(失敗しても腹切りはしませんが三度目は不可能と言う意味です)

 検索で苦労の結果、和菓子職人のプロが書き残した製法工程を見つけたその中に、生地をたらして円を描き、一周するときに書き始めの筋が消えるくらいとあって、総目方で加減を見たほうがいいとありました。それでその筋の具合を見てから指示通りの減り具合の重量かどうかを確認してから容器に入れたのです。
 結果は良好! 丁度良い柔らかさ加減で妻の味見も合格でした。不思議なことに、途中で味見をした時にはなんと甘いことと思いましたが、出来上がりではその時の甘いだけとは全く違って、先に小豆の味が口の中に広がる風味の良さがたまりません。

 糖衣のさせ方は、表面をブラシで荒らさないと出来にくいようで、その日のうちに固まってから切り分けて四面をこすってクッキングペーパーに包んで冷蔵庫に保管しました。

 冒頭の写真は本日のもので、三日後ですと糖衣の様子が良くわかりますね。花が開いた蕗の薹を乗せたのには意味があって、レンジで火を入れてありますから甘党でない私は一緒に食べて甘さと苦さのコラボをしてみようと思ったんです。
 蕗の薹の苦さが濃く深い甘さに包まれて、去り行く早春の味を懐かしいものに変えていくように思えました。

 職人さんの製法工程の解説に、「羊羹を練るときに加熱するのは飴の組織の中に砂糖や寒天質を浸透させるとともに、飴の組織を軟化物にするのがねらいで、この目的が達せられたら、次に余分の水分を蒸発させて、凝固しやすい状態に持ってゆく」とありました。まさにその意味のことが起こったと確信した次第です。

 材料4種類、準備1行、調理法3行のレシピから思いもよらない感激に到達してその顛末を書き留めてしまいました。

  これでおしまいにします。