清明 十四候
鴻雁北 こうがんかえる

同じく季節を知らせてくれるツバメの巣作りと違って、冬を過ごした雁が北へ去る姿はなかなか目にすることができないだけに、とても文学的に思えます。

日本茶では、玉露や高級煎茶の茎茶を「雁が音」と呼びますが、これは雁が海で羽を休めるために木の枝をくわえて渡ってくることが由来だと宇治のお茶屋さんから教わり、なんと風情のあることかとほ~となったものでした。

どちらかというと玉露は苦手なわたくしですが、雁が音は別。コクと鮮度感と骨太さと優しさと、いろいろな味わいに一服ごと五感が研ぎ澄まされて、ああ美味しいなぁと嬉しくなります。好みの雁が音に出会えた時は本当に幸せ。

そしていよいよ筍の時期ですね。美味しい食べ方には尽きませんが、まずは何と言っても天ぷら。切込みを入れて鰯のすり身を挟んだりもします。でもやっぱりそのままをほんのりの木の芽と塩で頂くシンプルさに敵うものナシ。


農家さんである娘の彼のご実家から、掘った直後の筍が届くというスペシャルな環境に感謝して、あく抜きもそこそこに茹でたてを薄力粉、片栗粉、水だけの衣でさっと揚げます。


少しの木の芽を散らしてふわっとサクッと熱々を頂く。微発泡の日本酒なんかも、あれば言うことなし。


今夜いかがですか。