今年の季節は早く進む...そんな感じで毎日を過ごしている木下着物研究所の木下勝博です。


4月前半に東京が緊急事態宣言が出されてから二ヶ月弱。二ヶ月前はまだ朝晩は肌寒いと思う日もありましたらが、最近は暑いと思う日が増えて来ました。
毎日着物生活をしていると季節や天気、気温が気になります。それは毎日何を着るかを考えるための重要な情報収集です。

本日は5月31日。明日6月からは現代で浸透している「着物暦」で言うと、単衣という裏地のない着物を着る季節になります。

[裏地のない単衣の着物]


「着物暦(または着物カレンダー)」とは、季節に応じてどのような仕様の着物を着たら良いのかの衣替えの暦のこと。この50年位は以下のように言われています。

【着物暦】
10〜5月:袷(あわせ)→裏地のある着物
6、9月:単衣(ひとえ)→裏地のない着物
7〜8月:夏物(薄物)→透け感のある単衣の着物

[着物暦の変遷『あたらしい着物の教科書』木下着物研究所(日本文芸社)より]


一般的に着物は日本の伝統的な衣装で、様々な決まり事は厳密に決まっているとか、何百年も変わらずに継承されているものというイメージをお持ちの方も多いかも知れません。ただ、上記の決まり事もルールというよりも、長年培われてきた慣習だと言えます。

江戸時代、明治、大正、昭和初期、戦後と時代が変わってゆく中で、日本人の生活環境も大きく変わるなかで衣服のあり方も変わって来ました。電気やガスがない時代と冷暖房が完備の時代では人々の衣服が変わるのも当然です。

また、温暖化の進む昨今では上記の暦もアップデートして行かねば、厳しい時代になって来ました。

[これからの着物暦『あたらしい着物の教科書』木下着物研究所(日本文芸社)より]

毎日着物生活の私たちは、冠婚葬祭を除き、日常の着物は、20度以上は単衣、25度以上は夏物(それに近いもの)を着ています。

真夏は通常であれば一番涼しい麻素材を着ることが多いのですが、外出先で建物の中に長時間いる予定の時は、冷房の風が麻の着物をまとった体を芯から冷やしてしまうため、肩に羽織るものを持ってゆくとか、浴衣を着るときでも足袋を履いたり、襦袢を着るなどして調整をします。

4月のゴールデンウィークくらいから最高気温は20度を越え始め、5月は半数が夏日(25度)となりました。私たちの周りにも自宅でリモートで会議に参加される際に着物でという方も散見されました。

今年の夏は例年よりの暑いとのこと。コロナ禍の影響で、衣替えももう一段階ずつ早める「これからの着物暦」の時代が早まるかも知れません。