「はまうり」「はまおり」「さにず」「さにちよい」「さにつ」

さて、この言葉たちは何を表しているでしょう?


ピンとくる方がいらしたらきっと、南の島の文化に精通している方だと思います。


この言葉は、奄美沖縄や地方で旧暦3月3日に行われる浜下り行事の方言で、


奄美大島では「はまうり」

沖縄本島では「はまうり」や「はまおり」

宮古島では「さにつ」や「さにっ」

石垣島では「さにず」

竹富島では「さにちよい」


などと呼ばれ、他にもあちこちの島にさまざまな呼び名があります。

2020年の旧暦3月3日は、3月26日でした。

浜下り行事のお作法は地域ごとに少しずつ異なっていますが、共通しているのは、浜辺に行き、海水に手足を浸して身を清めながら、健康を祈願すること。初節句を迎える赤ちゃんも、この日に手足を海水に浸してお清めします。

写真は浜下り当日ではありませんが、宮古諸島の伊良部島で身を清める我が子と夫。




このようなイメージで、お清めが行われます。


お清めの後は、重箱料理やお菓子を広げて食べたり、潮干狩りやもずく採りをして楽しんだり。南の島々にある、和やかな春の風物詩です。


そういえば、沖縄生まれのウチナーンチュ夫は、きれいな砂浜をみつける度に、何もいわずに海に向かい、手足を海水に浸していました。


山育ちの私は、その行動に意味を感じておりませんでしたが、浜下り文化で育った夫にとって、それは日々の生活でたまった心身の穢れ(!)を広く清らかな海に流すことだったのかもしれません。

ところで、どうして浜下りが行われるようになったのか、由来をたどると、和やかなイメージとはかけ離れた伝説に行き当たります。

伝説の内容も、書物によって少しずつ異なっていますが、概ねのあらすじは、ある美しい娘のもとに、人間の美男子に化けたアカマタという蛇が夜な夜なやってくるようになり、その美男子が実はアカマタで、その子どもを身ごもってしまった娘に、3月3日に浜下りをすることを助言され、その通りにしたところ、アカマタの子どもが流れ、もとのきれいな身体にもどった.......というお話です。

おぞましいアカマタが流れてくれるなら、憎き新型ウイルスも流れてくれたらいいのに......。